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週末は晴れても、雨でも


フリーお気楽建築士 兼 主婦の黒猫とのくらし
by kame-kameko
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久しぶりの感覚

会社の後輩がとても良かったと言うので本当に久しぶりに自ら本を買って読んでみた。
この作家が15年程前に芥川賞を取った作品は読んだ事がある。

久しぶりの感覚_f0054859_2323732.gif小川洋子の
「博士の愛した数式」
とっても素敵でせつない物語。
中にはたくさんの数式が出てくるが、
そのすべてが美しく気持ちよく
とっても肌触りの良い本だった。
まるで自分が新しい数式を発見したかのような
錯覚と快感をおぼえるものだった。
博士の少年に対する愛情もとても微笑ましい。

父が高校の数学教師だったのにも関わらず、数学はとても苦手だった。
「割り切れる」と初めから決まっているものを解くなんて面白くないとさえ思っていた。
今でもそれは変わっていないが、それでもこの本はいい。

良い本との出会いは、人との出会いに似ていると思う。
自分に足りないものを埋めてくれたり、迷っている背中を押してくれたりする。






もう、2年以上前になるが平日休日問わず建築士の勉強を続けた2年間があった。
仕事と勉強と家の事で精一杯で、その他の事が何も出来なかった。
というより、する気になれなかった。
本には食指が働かず、読むのはアエラやニューズウィーク程度。
20代後半からは本代に月数万円使うくらいに本を読みあさっていたのに…
と思うと寂しい気もしたけど、本気で欲していない時にいくら読んでも
心に落ちてこないのは分かっていたので、気持ちが動くまで放っておく事にした。

20歳で仕事を始めて夢中になり、26で立ち止まって長い旅に出た。
30歳で地元を離れて今の土地に住み始め、仕事も新しく1から始まった。
35で建築士としてのスタートラインに辿り着いて、ちょっと立ち止まっていた。
立ち止まっている間は、心が大きく成長する大切な時間。
今は、これからまた新しい展開へと進んで行く予感がしている。

1年間はホントにぼーっとして過ごした。
そしてこの1年で家にある本を手に取る事から再開し、他にも新しい事を始め、
最近やっと本屋さんに行く楽しみを取り戻した。
合格後2年もかかった… 長いリハビリ期間だったな。
by kame-kameko | 2006-03-17 00:01 | せいかつ

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